スフェーン
英名 | Sphene |
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和名 | 楔石 (くさびいし) |
主な産地 | オーストラリア・ブラジル |
成分 | CaTi[O|SiO4] |
結晶系 | 単斜晶系 |
モース硬度 | 5 ~ 5.5 |
比重 | 3.45 ~ 3.60 |
色 | 黄緑色 褐色 黄色 翠緑色 赤橙色 褐黒色 |
スフェーンの意味
スフェーンは、正式にはチタナイトという名前の石です。チタナイトはその名の通りチタンを含みますが、この含有率が多くなると黒っぽい暗めの色あいになります。一般的にアクセサリー用として流通している石は、鉄分を含む黄緑色のものが多いため、区別する意味合いもあってか、宝石業界では「スフェーン」という名称で呼ばれています。
スフェーンという名前は、この石の結晶構造が扁平な三角錐であることから、ギリシア語のくさびを意味する「スフェノス」という言葉を用いて名づけられたといわれています。
スフェーンは長年、「とても美しいが、宝石としては硬度が低い石」という位置づけでした。確かにダイヤやルビーに比べると脆いかもしれませんが、実際には硬度5~5.5ぐらいで、パワーストーンではお馴染みのフローライトやカルサイトが硬度3程度なのに比べれば、全く問題ないと思われます。
スフェーンの最も特徴的な点は、照りが美しいということと、ダイヤモンドさえもしのぐ分散率を持つ石だという点にあると思います。「分散」とは、石の中を通る光が虹のように分かれ、キラキラと強く輝くこと。つまりカットによっては、ダイヤモンドよりも輝くという意味なのです。パワーストーンとして流通しているスフェーンには、宝石クラスの石のような透明感はないので、残念ながらファイアを見ることはほとんどできませんが、それでも、この石特有の艶とキラキラとした輝きは格別です。
スフェーンはここ数年で急激に人気を高めてきた石なので、パワーストーンとしての言い伝えなどはほとんどありません。ただ「純粋」と「永久不変」を象徴する石、とだけ伝えられています。
私の個人的な感想としては、よくあるグリーン系の石の波動とは少し違っていて、気持ちを慰めてくれるような癒しではなく、心にかかる影を光でなぎ払ってしまいような、頼もしい存在です。優しさよりも力強さや、眩しいほどの明るい光で心を照らしてくれるような、そんな印象を受けます。身に着けていると気持ちが前向きになって、希望や未来への期待が生まれるのを感じられるでしょう。
スフェーンはとても存在感のある石です。ひと目見ただけで、誰もが惹きつけられるような、光り輝くオーラを放っています。自分自身をもっと輝かせたい、才能を発揮したいと願う人に。