モスアゲート

英名	Moss agate
和名	苔瑪瑙（こけめのう）
主な産地	インド
成分	SiO₂ + 内包鉱物の成分
結晶系	六方晶系（潜晶系）
モース硬度	7
比重	2.5 ～ 2.6
色	白色　緑色　褐色　黒色

モスアゲートの意味

白～透明の瑪瑙（メノウ）の中に、緑色や赤色、黒色などの内包物が入り、それがまるで苔や樹形（木の枝のような形）に見えるものをモスアゲートと呼びます。実際には、この内包物は苔などの植物ではなく、緑色の物はクローライト（緑泥石）、赤色や黒色の物は鉄やマンガンであることが多いようです。モスアゲートという名前には「モス（苔）」＋「アゲート（瑪瑙）」という意味があり、この石の最も特徴的な外見を表しているといえるでしょう。

古来よりモスアゲートは、「豊穣」をもたらす石として大切にされてきました。特に農耕民族の間では、自然の恵み（豊作）をもたらし、一族の繁栄を守護してくれる守り石だと信じられていたそうです。現代でもガーデニングや農作物を扱う人にとっては、最高の守護石として大変人気があります。

モスアゲートは、つい独りよがりになってしまいがちな心に、様々な事を気づかせてくれるといわれています。それは例えば、大自然の素晴らしさや、毎日の食事のありがたさ、周囲の人々の支えなどです。人は一人で生きているわけではないのだ、ということに改めて気づかせてくれるでしょう。そのことに心から感謝してこそ、本当の意味で、自然の恵みを受け取る事ができるのだと思います。

モスアゲートといえば「癒しの石」として広く知られています。感情の乱れを整え、エゴや執着を解き放ち、気持ちを安定させて楽にしてくれるといわれています。優しい気持ちや思いやりの心を呼び起こし、素直さを引き出してくれるので、周囲とのコミュニケーションを円滑にして、穏やかな関係を築けるようサポートしてくれるでしょう。無理をして人に合わせるのではなく、自分のペースで、自然と周囲に溶け込めるようになりたいと願う人におすすめです。

モスアゲートの癒しは、例えるなら森林浴に似ています。大自然の気を浴びて、心地よさの中で自分自身の波動をチューニングする（調節する・元の健全な状態に戻す）という意味においては、同じような効果があるからかもしれません。単に「リラックスさせてくれる」というだけでなく、魂までも癒してくれると伝えられています。

この石を眺めていると、気持ちがゆったりと落ち着き、心のこわばりや肩の力が抜けていくのを感じるでしょう。そうした瞑想のような癒しを体験した後は、まるで周囲の空気すらも清々しく感じられるほど、スッキリと爽やかな感覚を得ることができます。忙しい合間の休憩や、安らぎを必要としている時などに試してみると良いでしょう。慣れてくると、より効率よくリラックス状態に入れるようになるといわれています。

※モスアゲートの色は内包物の色や量によって個々に違います。白地に緑の内包物が流れるように入っていたり、石全体が濃い緑色に覆われていたり、とても個性的です。