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ヘソナイト

ヘソナイト

英名 Hessonite
和名 ヘッソン石
主な産地 マダガスカル
成分 Ca3Al2(SiO4)3
結晶系 等軸晶系
モース硬度 6.5 ~ 7.5
比重 3.6
褐色 帯褐黃色 赤橙色

ヘソナイトはガーネットグループの石

ガーネットといえば、1月の誕生石で赤い石としてよく知られていますが、実は単一の鉱物名ではありません。組成が近似した他種類の鉱物グループの総称で、発色の原因となる成分やその含有量、屈折率などによって細かく分類され、それぞれに名称がつけられています。

ガーネットグループの石はどれも大変美しく、ブルー以外のほとんどのカラーバリエーションがある多様な天然石です。さらに様々な変種があり、中でも有名なのは、アルマンディンやロードライト、パイロープ、アンドラダイト、ウバロバイト、グロッシュラー、スペサルティンなど。ヘソナイトはグロッシュラーガーネット(グロシュラーライトガーネット)の一種で、なかでもオレンジ~赤褐色の石をヘソナイトと呼びます。

グロッシュラーガーネットの代表格ヘソナイトとツァボライト

同じグロッシュラーガーネットグループに、ヘソナイトと同種のツァボライトという石がありますが、こちらは美しいグリーンのガーネット。ヘソナイトがマンガンや鉄で赤く発色するのに対して、ツァボライトはクロムやバナジウムによって緑に発色します。同じ種類なのに見た目が全く異なるのも、天然石の面白さだと思います。グロッシュラーガーネットは多くの亀裂を含む結晶で産出されるため、傷や内包物がなく、透明度も高い物は希少です。

ヘソナイトの特徴と美しさ

ヘソナイトには、オレンジや金色、黄褐色、赤褐色など、淡い色あいから濃い赤まで幅広いカラーがあります。そのため半貴石のビーズなどでは、淡い色あいや濃い色の石をバランスよく配置したカラーグラデーションとして販売されていることが多いです。どの色のヘソナイトも綺麗ですが、赤みが強く透明度の高いものはシナモン・ストーンと呼ばれ、特に価値が高いとされています。糖蜜状組織(トリークル)と呼ばれる模様が特徴的で、ルーペなどでよく観察してみると、水の中にシロップ(糖蜜)を入れたときのような、モヤモヤっとした流れを見ることができます(原石からのカットによってはこの特徴を含まない粒もあります)。

ヘソナイトの言い伝えとパワーについて

ガーネットは、歴史上最も古い宝石のひとつで、生命力・情熱・実りを象徴する魔よけのお守りとして大切にされていました。古代ギリシャやローマでは、ガーネットの濃い赤が「血」を連想させることから、怪我を防ぐ護符として兵士達が身に着けていたそうです。

地道な努力を実らせて、成功へと導いてくれることから、古来より「勝利の石」と呼ばれています。忍耐力と精神力を養い、困難や障害に負けず、前向きに乗り越えられるよう力を貸してくれるでしょう。中でもヘソナイトは魔除けの効果が高い石として知られています。

インド占星術(ジョーティッシュ)において、ガーネットといえばヘソナイトのことを指しており、古来よりラーフ(占星術における凶星)の影響を和らげ、状態を改善するのに用いられてきました。ラーフの影響が強まると、心身の緊張状態が高まり、ちょっとしたことでもイライラしたり、怒りを溜め込みやすくなると伝えられています。このマイナスのエネルギーから持ち主を護り、バランスを整える守護石がヘソナイトなのです。

ヘソナイトは、心と身体の繋がりを強めて安定させ、心の声や望みが現実にしっかりと反映されるようサポートしてくれます。心に溜まったストレスや怒りは、なかなか自然には消滅しないもの。消えたと思っても常にそこにあって、何かの拍子にむくむくと大きくなり、自らを蝕むかもしれません。

外からやってくる災厄よりも、むしろ、自分の中の魔をコントロールすることが大切だと感じる人に、ぜひ身につけてほしい天然石です。ヘソナイトは、特に「欲」に対してバランスをとることで、エネルギーを良い方向へ使えるよう導いてくれると伝えられています。

「欲」というと、何となく悪いイメージで捉えられがちですが、○○になりたいとか、○○が欲しいなどの欲求は時に強い動機や理由となり、積極性や行動力を高めてくれる促進剤のようなものです。良い方向に用いれば、物事を前向きに進め、大きく成長できるプラスの要因となりますが、悪い方向に働いたとき、欲は自己破壊を招く悪因となる可能性を秘めています。欲は単なるエネルギーにすぎません。それをどう使うかは自分次第です。本来持つ才能やパワーが良い結果に結びつくよう、ヘソナイトの守護の力を上手に活用してみてください。

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